Google Choromeが誕生したそのワケ。

Google Chromeが生まれる前にはもうブラウザソフト・アプリケーションは存在していました。Microsoft社が開発したInternet Explorer(通称:IE)やapple社のSafari、Mozilla社のFirefox。その他にもインターネットという世界を見るためのブラウザソフト・アプリケーションは様々な企業が制作しリリースをしており、最もシェアを獲得していたのはMicrosoft社のIE。

現在ではGoogle Chromeのシェア率は世界的にみても50%近くシェアを伸ばしています。今回はそのGoogle社が制作したブラウザソフト・アプリケーション「Chrome」の開発した理由を探ってみようと思います。

当時Chromeの開発に携わったエンジニアディレクターを務めるライナス・アップオン氏はこう語ってくれました。「近年Webアプリケーションが進化する中で、ユーザー・エクスペリエンスをより快適にするためにGoogle Chromeを開発しようと思いました。また、ソフト自体をオープンソースで公開したことで、デベロッパーの開発環境も向上する。さらには、今まで使い勝手の悪かったブラウザソフト・アプリケーションにも良い影響を与えることができるだろうと思いました。

ユーザー・エクスペリエンスを向上させるという意味ではFirefoxの機能等を向上・サポートさせる選択肢もあった。(※当時はMozila社はGoogleの子会社になっていた)Mozilla社が長年に渡って良い仕事をしてきたのは知っているし、異議を唱えるつもりもない。しかしブラウザが理想であるかどうかは我々エンジニアの間では様々な意見があったため我々Google側の意見をMozilla社に無理矢理押し付けることはしたくはありませんでした。現在でもMozillaとGoogleはたくさんの取り組みを共有しており、特にセーフブラウジング分野ではFirefoxに対してGoogleは大きな貢献が出来たと思っています。」

ユーザーエクスペリエンスをシンプルにしたい。

「従来のブラウザが抱えていた問題点としてデザインが複雑だったことです。利用するユーザーに対してシンプルに利用してもらう。それが一番の課題としました。例えば一般的にアドレスバーと呼ばれる部分はサイトのアドレス(URL)のみしか打ち込めずキーワードで検索したい場合はわざわざ検索エンジンのページに訪れてキーワードを入力する必要がありました。これをChromeではアドレスバー自体を「多機能ワンボックス」としてURLだけではなく検索エンジンの機能、Web閲覧履歴といった様々な情報をそこですべて簡潔に利用できる様にしました。またタブ操作では、よく使うサイトをサムネイル表示する機能やタブは1つ1つ独立して稼働する「マルチプロセスモデル」を採用しているため、あるタブで障害が起こっても他のタブには影響がない、ブラウザがクラッシュしにくく設計しました。

このマルチプロセスモデルを採用することで、セキュリティの大幅な改善にも貢献しています。具体的には改ざんされたウェブサイトにアクセスしてマルウェアの攻撃を受けても、サンドボックスで処理されるためパソコンに搭載されているHDDには影響がありません。またオープンソースで公開されているため、多くの開発者がセキュリティの問題に協力してくれることも期待しています。

そして今回Chromeにはブラウザレンダリングエンジンで「WebKit」を採用しました。これはSafariにも採用されているレンダリングエンジンですが、サイトの描写速度が早いことを重視した結果です。コード自体がシンプルであるため、改善・変更・修正がしやすいことも特徴と言えます。また我々独自のJavascriptエンジン「V8」で既存のJavascriptエンジンと比べ何倍も速い処理を実現しました。将来的には、これまで以上にリッチ(描写が複雑)なWebアプリケーションが出てくることが予想されるが、これらの使用に耐えられると思います。

このことにより、インターネットを利用するユーザーが快適に安全に、そしてシンプルに使えるようにしました。」

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